犬と暮らす

犬と暮らすために役立つ情報を掲載。


飼い主の責任


犬を飼うにあたり、飼い主には「犬への責任」「社会への責任」の2つが発生します。


○「社会への責任」

飼い主には犬が「他者の生命、身体、財産へ害を及ぼすことを防ぐとともに、周辺への迷惑防止、自然環境への影響防止の責任」が求められます。
このため、犬に対して「人間社会で共に暮らす上での必要なしつけや訓練、繁殖制限等適切な管理」についても飼い主への責任が求められています。

あなたと同じように、周囲の人が全て犬好きとは限りません。

「犬が苦手、犬が嫌い」そんな人達からも理解されるよう、迷惑や危害を及ぼさないための配慮としつけをしましょう。飼い主が周りの事を考えず、自己中心的な飼い方をしていると、あなたの素晴らしい愛犬も周囲の人からみれば「迷惑な存在」になってしまいます。

 

犬は放し飼いにぜず、つないで飼いましょう。犬の放し飼いは法律で禁止されています。散歩をさせる時もリードなどでつなぎましょう。飼い主が愛犬をコントロールできる状態にしておけば、交通事故や拾い食い、犬同士のトラブルなどが予防できます。

 

飼い犬であることが分かるように、登録時に交付された「犬の鑑札及び狂犬病予防注射済票」を首輪などに付けましょう。もし、迷子になった時は登録番号から飼い主を捜し出すことができます。

 

排泄をしつけましょう。最近では散歩へ行く前に排泄を終わらせ、散歩中には排泄させないマナーが定着しているそうです。もし、散歩中にオシッコをしてしまったら、ペットボトルなどに入れた水を用意しておき、オシッコをした場所を洗い流しましょう。ウンチの場合は必ず持ち帰りましょう。

 

鳴き声・悪臭に注意しましょう。犬をつなぐ場所に注意し、周辺を清潔な環境にしておきましょう。犬を飼っていない人にとって、犬の体臭や排泄物の臭いはとても気になるものです。
また、ムダ吠えや騒音などにも注意しましょう。ムダ吠えが修まらない場合は、思い切って場所を変えることも必要です。犬ごとの性格にもよりますが人通りが多く落ち着かない、テリトリーを守ろうとして吠えるなど、飼い主が「吠えやすい環境」に置いている場合も。犬がどんなタイミングで吠えるのか、よく観察することも大切です。

 

飼育する施設(小屋・柵など)やリードは常に点検し、犬が逃げ出さないようにしましょう。柵の高さやリード、首輪の締まり具合など常に目を配りましょう。また、花火や雷などの大きな音に驚いてパニック状態となり、普段は飛び越えられない高さを軽々と越えて逃げ出してしまったケースもあります。

 以上の事が犬を飼うにあたり、必要とされる「社会的責任」です。もし、これらの事柄が守られなかった場合、飼い主に何らかの法的責任が発生することもあります。

機嫌

○「犬への責任」
「犬への責任」とは犬の健康、安全の保持、終生飼養、適正な環境の確保など、あなたが家族として迎えた愛犬の一生に対する責任です。餌と水を与えているだけでは、責任を果たしたことにはなりません。愛犬が最後の時を迎えるまで、愛情と責任を持ち飼育しましょう。

 

必要な運動、給餌、給水、病気やケガの予防を心がけ、犬の健康と安全な生活を維持しましょう。犬は人間に従属して生きています。あなたの元へやって来たのも、毎日食べる食事や散歩の時間、しつけの方法も、犬が自ら選んで決めたことではありません。愛犬の生活は飼い主であるあなたが決めて、あなたの意志によって進められていることを忘れないでください。

 

繁殖に関してしっかりと計画を立てましょう。これはメスだけの問題でなく、オスの飼い主にも同様に責任が発生します。繁殖を望まないのであれば、疾患予防も配慮し早めの不妊・去勢の手術を受けましょう。

 

愛らしく元気いっぱいの子犬たちも成犬になり、飼い主であるあなたに教えてもらった事を生活のルールとして毎日を過ごします。また、年齢を重ね、心身共に円熟期を迎えます。時には病気やケガをすることもあるでしょう。よく「しつけができない犬」という言葉を耳にしますが、愛犬のレベルは飼い主であるあなたのレベルである事を忘れてはいけません。「ダメ犬=ダメ飼い主」という事になるのです。
時には悪戯をしたり、人間の意とする行動ができない事もあるでしょう。そんな時は犬だけを責任を押しつけるのではなく、飼い主であるあなた自身も変わる努力をしてください。

問題行動が直らない・しつけられないと処分される、高齢になり手がかかるからと捨てられる、病気の治療費が高額だからと見放される…。最近では年間約10万頭近くの犬が、人間の都合で殺処分されています。犬はぬいぐるみでも、流行のファッションアイテムではありません。ご飯も食べれば、ウンチもオシッコもします。時にはケガをしたり病気にもかかります。散歩に行きたい、遊んで欲しい、など自己主張もします。それは、あなたを困らせようとしているのではありません。飼い主である、あなたしか頼る人がいないから、あなたを信頼しているからこそ起こる行動なのです。

犬を飼うのは楽しいことばかりではありません。お金も手間も時間もかかります。そして、飼い主には社会的・道義的責任が発生します。

もし、あなたが犬を飼うにあたり少しでも不安や迷うことがあるのなら、慌てず、じっくり考えてください。そして、愛犬があなたに選ばれたこと、自分の全てを飼い主であるあなたに委ねていることを忘れないでください。

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